今日はショップに頼まれ、ポップの作り方講座をやってきました。
たまにこんな仕事を頼まれるのも、いいもの。教えることは、知識の棚卸にピッタリ^_^
受講するのはポップ制作担当になっちゃった、スタッフさん達。ある程度を自分たちで考えて制作はしてきたものの、いまいち“ダサい”、“野暮ったい”、“垢抜けない”などのお悩みをお持ちの方々です。
つまり、“ポップ作り、基礎の基礎”講座。
そもそもポップとはなんなのかを、知っていただかなければなりません。
ポップとは、POP(Point of Purchase)広告のことで店頭・店内における全ての商品提案活動が含まれます。まぁ、ポップというと、大抵は商品の傍らにつける紙切れを指しますが、それだけじゃないんですね。小さな紙もポップ、大きな紙も、いろんなディスプレーも、広義でいえばインテリア、ライティングも含めたものがポップ広告です。
当たり前のようですが、紙切れを一生懸命作っていると、その紙切れに目をつけてもらうためのお客様の流れ作りを忘れてしまいます。
あと掲示場所を考えるのも、ポップ制作のお仕事。「そこに貼っても、お客様からは見えない」からと活用されていない場所って意外に多くあります。
先ずはお店の中を見て回りながら、そんな場所の発掘を一緒にします。
例えば、什器の足元。ここって本当に掲示スペースとして活用されにくい場所(コンビニは大抵活用してます、さすがです)。
しかし、入口から目に付く什器の足元は入口からなら、よく見えます。しかし什器の前に立てば目に入らなくなるので、大きな文字や派手なイラストが躍っていても、お客様の目にはうるさくなりません。
こういう些細な気付きを、スタッフさん達と繰り返して、ポップ制作は作るだけじゃないのね。って思っていただくわけです。
そして、いよいよ実際に彼女たちが過去に作ったポップを見ながら、あるいは実際に作りながら、素人っぽさ脱出作戦を一緒に考えていきます。
私は、素人っぽさから抜け出すには、3つのコツだけおさえて作ればいいと思っています。
- テキストサイズは特大・中・極小の3つだけ
- 1セリフが1行とは限らない
- 色は3色以上使わない
ということです。
まずテキストサイズは、ド~ンと大きな目立つ文字、大きな文字をフォローする中サイズの文字、そして補足説明の極小文字の3種類で基本的に十分です。ちなみにそれぞれの文字は2倍から3倍の大小差をつけないと、どれも同じような大きさに見えてしまいます。ここは思い切り良く、デッカクしたり、小さくした方がいいんです。
そしてセリフの書き方。私たちは義務教育で、罫線の入ったノート、枠の決まった原稿用紙、決められた回答枠に慣れ親しんでいます。つまり、1行の中に2行が入り混じるような書き方には、慣れていません。
しかし、限られたスペースで伝えたい事を伝えるためには、スペースは有効活用とねッ♪
大きな文字の横に、付属的内容を2行、あるいは3行で詰め込むことはなかなか思いつかないのですね^_^
またこの詰め込み方は、テキストサイズに極端な差をつけるからこそ、出来るようになります。
そして3色以上使わないこと。
素人っぽさの原因の一つに、色使いがあります。目立たせようと思うあまりに、たくさんの色を詰め込んでしまうのですね。そして大抵の場合、背景色に文字が沈んでしまったり、ちぐはぐな色合いの気分が悪くなりそうなものが出来上がっちゃったりします。
いろんな色が混ざれば、最終的には黒くなっちゃう、ということです。
たくさんの色を使うというのは、相当にセンスがいいか、慣れていないと出来ません。
だったら色なんか、少ない方がいい!
という事で、大抵私は最初は3色だけ使って作りましょう。といいます。
3つとは基本色、進出色、後退色です。全体的に使う色が基本色、目立たせたいところに使うのが進出色(強調色)、“目立たなくてもいいや書いてあれば”な所に使うのが後退色です。
たくさんの色を使ってカラフルに。は制作に慣れてきてからチャレンジする方がいいんです。グラデーションなんて、素人さんには難しいですよ。本当に。
この3点に気を使うだけで、各段に出来映えが変わってくるから不思議。
そして最後に作ったものを、実際に掲示して、ちゃんと眺めてみる。しっかり読んでみる。角度によって、書く順番を変えたほうが良かったり、ライティングによって読みにくかったりすることに気付けるからです。
そして最後によく言う一言。
「ただ通り過ぎている景色にもデザインのいろいろなヒントがあります。あっ、かわいい。じゃなく、今度使ってやろうと思って見ると、かならず勉強になりますよ♪」
とまぁ、こんな感じで約4時間の詰め込み勉強会。お役に立つと嬉しいですが。。。